【不動産相続】賃貸マンション・アパートの家賃収入は誰のもの?
【不動産相続】賃貸マンション・アパートの家賃収入は誰のもの?
賃貸マンションやアパートを経営していた親が亡くなった場合、家賃収入の扱いに頭を悩ませてしまいますよね。この記事では「家賃収入が誰のものになるのか」に焦点を当て、状況別にわかりやすく説明していきます。
家賃収入をめぐる相続の問題を解決するために、ぜひ最後まで読んでみてください。
亡くなるまで、家賃収入は親の所得
亡くなるその日まで、賃貸マンションやアパートからの家賃収入は親の所得です。故人が亡くなる前月に受け取った家賃は、すでに故人の所得として確定しています。
故人名義の銀行口座に残っている家賃収入は、法的には相続財産とみなされ、相続人によって分割されます。つまり、通常の貯金や他の資産と同じく、相続財産の一部として扱われるのです。
相続発生のタイミングに注意
賃貸契約では、家賃は前月末までに支払われるのが一般的ですよね。例えば親が1月20日に亡くなり、前月の12月末に家賃が支払われていた場合、その家賃は故人の収入という扱いです。
一方、亡くなった日以降に支払われる家賃は相続財産とはみなされず、状況によって受け取る人が変わります。詳しくは後述しますが、遺言書があればその相続人の財産となりますし、遺言書がなければ遺産分割協議が終わるまで共有財産として扱わなければいけません。
準確定申告が必要
故人の所得に関しては「準確定申告」という手続きを行う必要があります。準確定申告は生前に得ていた収入に対して行われるもので、亡くなった日から4ヶ月以内に申告・納税をします。期限を過ぎると延滞税・加算税などの罰金が発生します。
準確定申告は相続人全員が署名しなければいけない(連署)ため、できるだけ早めに取り組んだ方がよいでしょう。
遺言書があった場合、家賃収入は相続人のもの
遺言書が存在する場合、故人の最後の意志として、法律上最優先で扱われます。特定の相続人に「賃貸物件を相続させる」と書かれていた場合、家賃収入は相続が発生した時点からその相続人のものとなります。
遺言によって賃貸物件を相続した場合、相続人はその物件から得られる家賃収入に対して確定申告を行う必要があります。ここで重要なのは、家賃収入が相続財産としてではなく、相続人の個人所得として扱われるという点です。
不動産を相続した翌年から、忘れずに確定申告書を提出しましょう。
遺言書がない場合、家賃収入は相続人全員のもの
遺言書が存在しない場合、家賃収入はいったん相続人全員の共有財産となります。遺産分割協議を通じて各相続人の権利が決定されるまで、家賃収入は法定相続分に従って分割されるのです。法定相続分は、相続人の数や関係に応じて法律で定められており、遺産分割協議においてもこの基準が適用されることが一般的です。
遺産分割協議が完了するまでの間に家賃収入を受け取った場合、確定申告を行います。ただし、相続人が給与所得者で、収入が経費を差し引いた後に年間20万円以下なら確定申告の必要はありません。経費には賃貸物件の管理にかかる費用や残されたローンの返済額などが含まれます。詳しくは税理士や税務署に相談しましょう。
遺産分割後の家賃収入は、不動産を相続した人のもの
遺産分割協議が無事に成立したなら、物件からの家賃収入は新たな所有者、つまり相続した人のものです。収入に対して確定申告を行う必要があります。経費を差し引いた上で、所得税を納めましょう。
単独名義で相続したほうがよい
賃貸物件の相続は継続的な利益を受け取れることを意味しますから、兄弟間で欲しいという人が複数出てくるケースもあります。公平な解決策として「共有名義」を考えるかもしれませんが、あまりおすすめできません。
共有名義では、家賃収入の分配・物件の管理・修繕などにおいて、相続人間で意見の対立が生じやすくなります。また、物件を売却したくても、すべての共有者の同意が必要です。
トラブルを回避したいなら単独名義での相続を推奨します。例えば賃貸物件は兄が相続するとして、不公平感を埋めるために弟には金銭で補填するのはいかがでしょうか。この方法を「代償分割(だいしょうぶんかつ)」と言います。
売却するのもひとつの方法
- 賃貸物件を相続したい人が多い
- 相続人全員が物件管理に関心がない
- 物件が老朽化している
- 遺産分割協議がまとまらない
こういった場合、物件を売却するのもひとつの解決策です。売却によって得た現金を相続人間で分配するのです。まずは不動産会社に相談して、査定を受けてみるといいでしょう。
まとめ
今回は、親が所有していた賃貸物件について「家賃収入が誰の財産となるのか」を解説しました。亡くなるタイミングや遺言書の有無によって受け取る人が異なるため注意してください。
家賃収入を含む不動産相続は複雑で、兄弟間で確執を生む原因にもなります。遺産分割協議が進まない場合は「賃貸物件を売却し、利益を分配する」方法を検討しましょう。
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