兄弟で土地を分割する方法5選【不動産を相続したらどうする?】
兄弟で土地を分割する方法5選【不動産を相続したらどうする?】
遺言書がない場合、相続人同士で話し合い、分割方法を決定することになります。いわゆる「遺産分割協議」です。しかし兄弟間で土地を相続した場合、「どうやって分ければいいの?」と困ってしまいますよね。
この記事では相続した土地を兄弟で分ける5つの方法について、メリット・デメリットを紹介します。できるだけ難しい専門用語は避け、分かりやすい言葉で解説していきますので、最後まで読んでみてくださいね。
土地を分ける「分筆(現物分割)」
「分筆による現物分割」は、土地を実際に区切って、相続人それぞれが土地の所有者となる方法です。「私たち兄弟、それぞれがこの土地で何をしたいか全然違うんだよね。」そんな場合には分筆が向いているでしょう。
メリット
分筆では、それぞれの相続人が自分の土地を自由に使えるようになります。例えば、一人は土地に家を建て、もう一人は土地を売却する、といったやり方も可能です。「亡くなった人の土地を自分たちで有効に活用したい」と考えるケースにおすすめの方法です。
デメリット
分筆による現物分割は公平性を確保しやすいように見えますが、土地の特性によっては揉めやすいので注意してください。分割によって一部の区画の価値が下がる可能性があるのです。
例えば「兄の区画は日当たりがいいのに、私のところは隣のマンションのせいで暗い」など。平等に分けたつもりが、のちのち争いに発展するかもしれません。
不動産を売ってお金で分配「換価分割」
「換価分割(かんかぶんかつ)」とは、相続財産を売却して得た現金を分配する方法です。将来的に土地を利用する予定がない、不動産の活用法が見つからない場合に適しています。
メリット
換価分割のメリットは現金化できる点です。「土地をどう分けるか」ではなく、「売却から得た現金をどう分けるか」という問題に変わります。より公平で合理的な解決策と言えるでしょう。
デメリット
土地を売却する際には譲渡所得税や仲介手数料・測量費用など、さまざまな費用が発生します。費用は売却価格から差し引かれるため、最終的に分配される金額が減ってしまうのです。
また、土地の市場価値や売却時期によっては、想定よりも低い価格でしか売却できないリスクもあります。換価分割を選択する前に、コストや相場を調べたほうがよいでしょう。
お金で差を埋める「代償分割」
「代償分割(だいしょうぶんかつ)」は、相続人が他の相続人に対して、不公平感を金銭で補償する方法です。
例えば兄だけが土地を相続する場合、弟から見れば「兄貴だけズルい」と感じるのは自然です。その差額を弟に支払うことで、財産分割を調整するのです。
メリット
代償分割のメリットは、不動産を物理的に分割することなく、公平性を確保できる点です。分割が難しい土地も、金銭での補償によって相続人それぞれが満足できる解決策となり得ます。
デメリット
代償分割は、補償を行う相続人が十分な資金を持っていなければいけません。「補償金を払う予定だったけど、用意できなかった…」という状況は、兄弟間のトラブルを引き起こします。
また、金額に関しても相続人間で意見が異なる場合も多く、遺産分割協議が長引くかもしれません。代償分割を選択したいなら、金銭的な準備とともに事前の話し合いが重要です。
みんなで一緒に土地を持つ「共有分割」
「共有分割」は、相続した土地を兄弟間で共有する方法です。この場合、土地の所有権は兄弟全員に帰属し、名義も共有名義となります。
分割しづらい不動産が含まれている場合や、相続人の間で利用計画が合意されている場合に有効です。
メリット
共有分割のメリットは、公平性が保たれやすい点です。特に価値の高い不動産など分割に不公平感が生じやすい財産についても、兄弟間で権利を平等に保持できます。
また、その土地をどのように利用するか相続人全員で話し合うため、兄弟間の絆を深めるきっかけにもなるでしょう。
デメリット
「土地を売りたいけど、兄弟の一人が反対している…」という状況は、共有分割においてよくある問題です。
共有名義となった土地の利用や売却には、共有者全員の合意が必要です。さらに、税金や維持管理費の負担分担に関しても要注意。意見の対立が発生しやすくなり、兄弟間でのトラブルに発展するかもしれません。
相続トラブルを回避「相続放棄」
「とにかく相続に伴うトラブルを避けたい」「相続する財産よりも、負債の方が多いかもしれない…」と考えているなら、相続放棄が選択肢としてあがります。
相続放棄とは、相続人が法律上の手続きを通じて、相続財産全体に対する権利を放棄することです。
メリット
相続放棄の良い点は、財産を引き継がない代わりに面倒なことから離れられる点です。相続に関する争いが予想される場合や、高額な負債(借金)が含まれている場合は相続放棄を検討してもよいでしょう。
デメリット
相続放棄を一度選択すると、撤回は原則として認められません。また、あなたが相続放棄をすると、次の相続人が相続することになり、結果として親族間での負担が増加します。「トラブルを避けるために譲ったのに、やっぱり巻き込まれた…」と後悔するかもしれません。
相続放棄を選ぶ前に、専門家へ相談してみてください。
まとめ
この記事では、相続した不動産を兄弟で分ける方法を紹介しました。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります。相続する土地の状況や相続人の希望に応じて慎重に選択しなければ、兄弟間に溝ができてしまいます。
相続に関して疑問や不安がある場合は、専門家にサポートを依頼してください。私たち和光不動産は福岡県福津市を中心に、多くの不動産取引に携わってきました。相続に関するご相談から不動産売却の提案まで、あなたを全面的にサポートします。ぜひ一度ご相談ください。